Day2 北東北巡検
前回より引き続き大巡検の思い出を語ります.
二日目の観察事項:①枕状溶岩(入道崎),目潟火山群,②男鹿の堆積岩とグリーンタフ(鵜ノ崎,館山崎,潮瀬崎)
宿泊場所を出発し,私たちは観察地点である男鹿半島に向かいました.途中港の近くを通った時に停泊していたフェリーが汽笛を鳴らし,船員たちが手を振ってくれました.粋ですね!
①枕状溶岩と目潟火山群
二日目は初めに男鹿半島の西端にある入道崎で枕状溶岩を観察しました.この地点には漸新世に形成された門前層の長楽寺玄武岩が見られます.この溶岩はおよそ3000万年前に海底で噴出したと考えられており,噴出時にできた気泡による穴が沸石で二次的に充填されている様子が確認できました.
入道崎を観察後,八望台に移動.展望台から四方を見回しながら,マール(マグマ水蒸気噴火でできた単成火山)火口である一の目潟,二の目潟を観察しました.天気が良く,比較的近くにある目潟はもちろんのこと,遠くにそびえる本山,真山,寒風山もはっきりと見ることができました!
午後は半島南部に移動し,三つの崎を巡る旅へ...
②男鹿の堆積岩とグリーンタフ(鵜の崎,館山崎,潮瀬崎)
午後は最初に鵜の崎で露頭観察!のはずでしたが潮が満ちていて見ることができませんでした...とりあえず海岸で観察するはずだった女川層に由来する転石を観察し,ノジュールや魚鱗の化石などを見つけました.
鵜の崎を惜しみながら館山崎へ.ここではグリーンタフの観察を行いました.グリーンタフは2000~1500万年前(前期中新世)に海底火山活動によってできた凝灰岩で,火山ガラスなどが熱水で変質し,緑泥石になることで岩石全体が緑色をしています.近くで見てみると基質は火山灰や軽石で構成されており,安山岩や流紋岩などの礫を含む凝灰角礫岩であることが分かりました.また,露頭中には雲形浸食による大きな穴が見られました.
二日目の最後は潮瀬崎で潮瀬ノ岬砂礫岩の観察を行いました.階段を下って岩肌が露出している海岸を歩いていくと...
怪獣現る!
はい,こちらは通称ゴジラ岩と呼ばれている景勝地です.名前の由来は語るまでもないですよね.この一帯の岩石は軽石や安山岩を含む凝灰角礫岩でできています.先ほどのグリーンタフよりも形成時期が古く,3000万年前にできたとされています.最初に見た入道崎の溶岩の形成時期と同じくらいですね.
ちなみにゴジラの尻尾もあります↓構成岩石は凝灰質泥岩です.
二日目はまさかの満ち潮で観察できない部分もありましたが,天気が良く,気温もちょうど良い絶好の観察日和でした.男鹿の自然よありがとう!
二日目の報告は以上です.次回もお楽しみに!
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地 底 大 冒 険 !
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